伊藤詩織事件の24回目です。
「ブラックボックス」という本は非常に面白い本です。
読めば読むほど新しい発見があります。
何回読んでも飽きることのない名著と言っても良いでしょう。
今回もツッコミどころ・・・・
失礼・・・・
伊藤詩織マジック満載でお送りいたします。
不可解な警察の対応
刑事課の男性捜査員に話したのは2回目になります。
72、73頁(文庫76、77頁)
受付のカウンターへ行くと、他の待ち合い者がいる前で、事情を説明しなければならなかった。簡単に事情を説明し、「女性の方をお願いします」と言うと、カウンターでさらにいろいろ聞かれた。うまく伝わらないので「強姦の被害に遭いました」と言うしかなかった。もう少し配慮が欲しいと思った。
女性の警察官は、別室で二時間ほど私の話を聞いてくれた。そして「刑事課の者を呼びます」と言った。その時初めて知ったが、彼女は交通課の所属だったのだ。
それから刑事課の男性捜査員に対して、また二時間以上同じ話を繰り返した。初めて事件の詳細を警察に話すことはできたが、これはほんの始まりに過ぎなかった。それから私は一体何回、同じ話を繰り返すことになっただろう。
それでも、原宿署の捜査員は話を聞いた上で、「被害届を出して事件にすべき」と言ってくれた。事件が起きた場所から、これは高輪署の管轄になる、と説明され、次回は原宿署に高輪署の捜査員が来てくれることになった。話が終わって警察を出た時は、夜の十時を回っていた。一人でアパートに帰ることが怖かった。
そんな時、心配した看護師の幼馴染のSが駅まで迎えに来てくれたのは、前に書いた通りだ。彼女にひと通り警察での話を報告した後に、実家に帰ることにした。
何も知らない両親に対し、どんな顔で接すればいいのかわからなかった。
この記述がありますが、まず問題に感じたのが
それから刑事課の男性捜査員に対して、また二時間以上同じ話を繰り返した。初めて事件の詳細を警察に話すことはできたが、これはほんの始まりに過ぎなかった。
この部分は交通課の女性警察官に話をした後に刑事課の刑事に話をしているのです。
それが何故
初めて事件の詳細を警察に話すことはできたが、
この記述になるのでしょうか?
初めて事件の詳細を交通課の女性警察官にすでに話しています。
この時点では2回目に話しているのです。
看護師の幼馴染のSの謎?
下記の記述も不可解です
そんな時、心配した看護師の幼馴染のSが駅まで迎えに来てくれたのは、前に書いた通りだ。
このようにありますが幼馴染のSに関する記述は
66、67、68頁(文庫70、71、72頁)
翌日の月曜日、Kの勧める近所の整形外科を訪ねた。ここでも私は医師に、知人にレイプされた、とは言えなかった。「仕事でヘンな体勢になったので。昔、バスケをやっていたから古傷かもしれません」と曖昧に説明した。
「凄い衝撃を受けて、膝がズレている。手術は大変なことだし、完治まで長い時間がかかる」
診断した男性の医師は、そう言った。
痛みが治らなかったら手術の可能性もあると言われ、その日は電気を当ててもらっただけで治療は終わった。
それから数ヶ月間、サポーターをはめて過ごすことになった。今でもこの膝が痛む時があり、そのたびに悪夢を思い出す。身体中が冷たくなり、恐怖と無力感に襲われる。
戻ってKに、「理由はわからないけど」と言いながら、診察結果を報告した。彼女には何でも話せるはずなのに、前日の食事会がうまくいって幸せそうな彼女たちの前で、この話を持ち出すことはできなかった。
それから、幼馴染のSに会った。看護師の彼女は、膝が痛いという私の話を聞き、一緒にサポーターを選んでくれた。
お昼ご飯を食べに入ったカフェで、いつもと違って元気のない私を心配し、普段は私が話すのをおっとりと聞いてくれる彼女が、
「どうしたの? 何があったの?」
と何度も聞いてくれた。しかし、何があったのか、なかなか言葉にすることができなかった。
「大丈夫だから、ゆっくり話して」
と言われた、この時に私は彼女に初めて、つっかえながら事件のことを打ち明けたのだった。
真っ青になるほど握ってくれていた彼女の手が、冷たくなった。そして私と一緒に泣いた。初めて自分の置かれた状況を言語化し、人に話した。この時が、事件以来初めて涙がこぼれた時であった。その前の二日間はひたすらショックで、何が起こったのか理解すら恐ろしく、感情が出たこなかったのだろう。
のちに彼女に、当時私が何を話のか覚えているかと聞いた。彼女はすべて鮮明に覚えていた。その時私は震えて血の気が引き、汗をかいて手が冷たくなっていたそうだ。彼女自身も、私の身に起きたことが受け止められなかった、と言った。
何よりも、彼女は私が初めてお酒を飲んだ日にも一緒にいた幼馴染だ。私の飲める量や酒席での様子もよく知っていた。彼女は、私がたった数杯と二~三合のお酒で意識を失うことはあり得ない、と強く言った。また、私の性格からも、目上の人と仕事の話をする席で、私がそこまでお酒を飲むとは思えない、と。
彼女も同じ時期にニューヨークに住んでいたことがあった。「デートレイプドラックの可能性はあるかな」と言う私に、彼女は「あるかもしれない」と同意した。
幼馴染のSに関しては
それから、幼馴染のSに会った。看護師の彼女は、膝が痛いという私の話を聞き、一緒にサポーターを選んでくれた。
このように書かれています。
要するに一緒にサポーターを選んでくれただけです。
そんな時、心配した看護師の幼馴染のSが駅まで迎えに来てくれたのは、前に書いた通りだ。
このような記述はありません。
つまりここにも創作が含まれているのです。
これも伊藤詩織マジックのなせる技です!
看護師を職業としている方が何故ニューヨークに住んでいたのでしょうか?
この幼馴染のSに関しては疑問もあります。
幼馴染のSは看護師です。
彼女も同じ時期にニューヨークに住んでいたことがあった。
何故、看護師を職業としている人物がアメリカのニューヨークに住んでいたのですか?
看護師とは看護系の大学、短期大学、専門学校を卒業し国家試験に合格してなる職業です。
そのような方が何故ニューヨークに住んでいたのですか?
看護師を職業にされている方がニューヨークに住む理由がありません。
これも伊藤詩織マジックでしょう!
看護師がアメリカで就労するには
日本で看護師の資格を取得した方がアメリカで看護師として就労できるのか調べました。これは可能ですが簡単にできることではありません。
大きい問題として
英語力
就労ビザ
これが挙げられます。
ただブラックボックスには幼馴染のSがニューヨークで看護師をしていたとは書かれていません。
幼馴染のSが同じ時期ニューヨークに住んでいたのが事実であればどうのような事情で住んでいたのか書く必要がああります。
ちなみにスタン・ハンセンの奥さんは日本人(現在はアメリカに帰化)で看護師をしています。
伊藤詩織がお酒を飲めるようになったのはドイツに留学したときです
ドイツの飲酒年齢は16歳からです
幼馴染のSに関してはまだ疑問があります。
68頁(文庫72頁)
何よりも、彼女は私が初めてお酒を飲んだ日にも一緒にいた幼馴染だ。私の飲める量や酒席での様子もよく知っていた。彼女は、私がたった数杯と二~三合のお酒で意識を失うことはあり得ない、と強く言った。また、私の性格からも、目上の人と仕事の話をする席で、私がそこまでお酒を飲むとは思えない、と。
この記述があります。
伊藤詩織が初めてお酒を飲んだ日に一緒にいたのが幼馴染のSです。
この
初めてお酒を飲んだ日
この記述ですが正確には「初めてお酒を提供してくれるお店で、お酒を飲んだ日」で間違いがないと考えます。
理由は一般論ですが
初めてお酒を飲んだ日
これは自宅で未成年時に飲んだ。これが一番多いケースと考えられます。自宅以外であれば親戚関係の家で正月等に大人に混じって少量のお酒を舐める。これが正確には
初めてお酒を飲んだ日
になります。
ですから伊藤詩織が「ブラックボックス」で書いている
初めてお酒を飲んだ日
は「初めてお酒を提供してくれるお店で、お酒を飲んだ日」で間違いないと考えます。
そうなると問題が出てきます。
伊藤詩織がお酒を飲めるようになった時期(日本の法律では20歳)には伊藤詩織は日本に住んでいません。日本で看護師を職業としている幼馴染のSと、どうすれば初めてお酒を提供してくれるお店でお酒を飲むことができるのでしょうか?
彼女も同じ時期にニューヨークに住んでいたことがあった。
この記述がありますが伊藤詩織が最初に行った大学はドイツです。これは34頁(文庫38頁)に書かれています。
さらにインターネットで調べれば分かるのですがドイツでは飲酒年齢がお酒の種類にもよりますが16歳からです。(親と同伴の場合は14歳から)
つまり伊藤詩織が初めてお酒を提供してくれるお店でお酒を飲むことが可能になったのはドイツの大学に行った時です。
当然ですがドイツ滞在中に現地で友人となった方たちとお酒を飲んだのが
初めてお酒を飲んだ日
になります。
幼馴染のSがドイツに来たとは「ブラックボックス」には書かれていません。
何よりも、彼女は私が初めてお酒を飲んだ日にも一緒にいた幼馴染だ。私の飲める量や酒席での様子もよく知っていた。彼女は、私がたった数杯と二~三合のお酒で意識を失うことはあり得ない、と強く言った。また、私の性格からも、目上の人と仕事の話をする席で、私がそこまでお酒を飲むとは思えない、と。
このような記述をするのであれば、どのような状況で幼馴染Sと初めてお酒を飲んだのかを書く必要があります。
伊藤詩織と幼馴染のSとはお酒を飲む機会も時間もありません
何故、幼馴染のSは伊藤詩織のお酒の飲める量を知っているのでしょうか?
幼馴染のSは
私の飲める量や酒席での様子もよく知っていた。彼女は、私がたった数杯と二~三合のお酒で意識を失うことはあり得ない、と強く言った。
このようにありますが、伊藤詩織は外国の大学に進学しているのです。
さらにニューヨークから帰国後はロイターのインターンとして無給でフルタイム働き、アルバイトで生計を立てているのです。
40、41頁(文庫44、45頁)
インターンだけでは生活することができなかった私は、翻訳や通訳などのアルバイトも同時にしていた。日当は出るようになっていたが、やはり生活は厳しく、今後もアルバイトは続けなければならない。寝る時間も削って働く私の体を、両親は心配した。
伊藤詩織は寝る時間も削って働いていたのです。
当然ですが幼馴染のSとお酒を飲む機会も時間もありません。
これに加えてお金もありません。
*東京で1回お酒を飲めばどんなに少なく見積もっても五千円はかかります。
それにも関わらず何故、幼馴染のSは伊藤詩織のお酒の飲める量をよく知っているのですか?
これぞ伊藤詩織マジック!
このブログを読まれた方は私の意見を鵜呑みにしないでご自身で「ブラックボックス」を読んで判断をしてください。
まだまだネタはありますよ!
当然ですが
伊藤詩織事件25へ続く
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下記リンクで伊藤詩織事件を全て表示できるようにしています。
>女性の警察官は、別室で二時間ほど私の話を聞いてくれた。そして「刑事課の者を呼びます」と言った。その時初めて知ったが、彼女は交通課の所属だったのだ。
>それから刑事課の男性捜査員に対して、また二時間以上同じ話を繰り返した。初めて事件の詳細を警察に話すことはできたが、これはほんの始まりに過ぎなかった。それから私は一体何回、同じ話を繰り返すことになっただろう。
初めに女性の警察官に2時間も話していたのに、その時に詳細を話さなかったら2時間も何を話していたのでしょう?
ジャーナリストの仕事は「真実を伝える」ことだと思いますが。
警察は被害者から繰り返し事件の内容は聞きます。
これは説明に一貫性があるかどうかを確認するためです。
これを、まるで警察の怠慢のように書いていることのほうが問題です。