佐々木剛が仮面ライダーで主役を演じていた当時は無免許でした。
これが一世を風靡した「変身ポーズ」へ繋がったことはファンの方であれば誰でも知っていることです。
さらに言えば佐々木剛は、この当時、普通運転免許も持っていませんでした。
自動二輪、普通運転免許を取得したのは仮面ライダーの主役を降板してからです。 このことはインタビュー、書籍等で本人が語っているので間違いはないと考えます。
私も以前、佐々木剛さんの経営する居酒屋「ばったもん」で直接話を聞いていますし、佐々木剛の著書「一文字隼人 仮面ライダー2号伝説」の171頁に下記の記述があります。
ちょうどそのころ、原田芳雄さんが撮影で大事故起こしたときに、無免許なのがバレて、大騒ぎになった。それでタレントが無免許だと、事故ったときにヤバイと思って免許を取りに行って、自動二輪もいっしょに取った。
佐々木剛自身が堂々と無免許であったことを認めているのです。
ところが何故か、これを書いている2019年11月21日現在Wikipediaには 『仮面ライダー』の撮影中に免許を取得し、バイクの上にうつ伏せになって運転する「飛行機乗り」を披露している。 このような記述が見られます。以前、佐々木剛のWikipediaを見たときには「仮面ライダー」に主役で出演していた当時は無免許であったとの記載が見られました。
これに関しては無免許であったことを書いた場合、これを書き換える輩がいるようです。 何を考えてこのようなことをするのか理解に苦しみます。
同じことは変身ポーズにも言えます。 何故、変身ポーズが生まれたのか? 何故、変身ポーズは採用されたのか?
理由はいたって単純、 本人が免許を持っていなかったから これだけです。
これに関してはWikipedia(2019年11月21日現在)「プロデューサーだった平山亨氏がはそれだけが理由ではないと述べており、佐々木自身もそれが理由であるという説明は受けていないと述べている。」このようにあります。しかし、これはどう考えてもあり得ません。
理由は佐々木剛が仮面ライダーの主役を引き受けたとき他のドラマを2本掛け持ちしていた関係で仮面ライダーの撮影は週に1日しかできなかったからです。
さらに仮面ライダーは4月からの放送開始にも関わらず東映の労働争議等の関係でクラクインが2月に入ってからです。
これ以外にも問題はありました仮面ライダーの第1回放送が1971年4月3日、翌日視聴率が出るのですが東京、8.1%この時点で打ち切りの話は出ていたと言われています。
ところが当時、大阪の視聴率は1週間後に出ていました、こちらは20.5%でした。 この大阪の高視聴率で第2クール以降も番組が継続されることが決まったのです。
当然ですが藤岡弘の事故からすでに1週間以上経っているのです。 このような状況で平山亨プロデューサーは佐々木剛に出演依頼をして本人も「藤岡弘が復帰できるまで」との条件で出演を引き受けます。
要するに撮影がおしていた状態で2号編の撮影も始まったと考えるべきです。 そのような切羽詰まった状況で演出、その他の理由から「変身ポーズ」を考案、採用する余裕はどう考えてもありえません。
そもそも、このときは「変身ポーズ」と言う概念すらなかったのです。
変身の問題は旧1号編で主人公、本郷猛の意思とは無関係に変身してしまうシーンがあったため、この問題を解消するために「明確に主人公の意思で変身できるようにしよう」と関係者の間で話し合われ決められたそうです。
この関係で佐々木剛が主役になった2号編から変身シーンはオートバイに乗って行うと決められたていました。 このために2号ライダーのベルトにはシャッターが付けられたと言われています。
オートバイに乗る一文字隼人
ベルト出てきてシャッターが開く
風を受けてタイフーン(仮面ライダーのベルトの名称)の風車が回り変身
この予定だったそうです。
ところが有名な?
無免許事件が発生!
オートバイに乗っての変身は当然不採用になります。 上記していますが佐々木剛は当時、仮面ライダーの撮影は週1日しかできませんでした。
翌週の撮影までに変身シーンをどうするか決めなければなりません。「変身ポーズ」のアイディアを出しポーズを考案したのは仮面ライダーのアクションを担当していた大野剣友会のメンバーだったそうです。
「変身ポーズ」が生まれるまでの流れは以上の通りです。
現在でも仮面ライダーシリーズ、戦隊シリーズが放送されています。当然ですが変身シーンは番組の見せ場です。
アメリカで製作されているパワーレンジャーも同様です。 この変身シーンと言う見せ場は日本の特撮番組独特のものです。
事実アメリカンヒーローでは変身シーンはありません。
スパーダーマンもアイアンマンも自宅でスーツに着替えると言うことになっています。
アイアンマンは強化スーツですがスパイダーマンにいたってはコスプレでしかありません。 例外なのがスーパーマンでしょうか?
電話ボックスで素早く着替えると言う早業でクラーク・ケントからスーパーマンに変身します。
しかし、スマートフォンが普及した現在はどうなっているんでしょうか?
少々話が「変身ポーズ」から逸れてしましました。
ただ佐々木剛が仮面ライダーの主役を引き受けたときは「変身ポーズ」が番組の見せ場になると言う発想も無ければ、概念もありませんでした。
これは事実確認をしたわけではありませんが佐々木剛が初めて変身ポーズをとるシーンで本人は「なんでこのようなことをしなければならないのか?」このように文句を言ったと聞いています。
考えてみれば当然ですよね?
主人公から仮面ライダーに変身するのにわけのわからないポーズをとらされる?
なんでこんな馬鹿なことをしなければならないのか?
このように考えるのが当然ですよね?
さらに「変身」の掛け声も脚本には無く第14話を監督した折田至が撮影時に「変身」と言えと指示したのが始まりだそうです。
「変身」の掛け声はアフレコでどうにでもできるから。このように言ったと聞いています。
「変身ポーズ」の始まりは実はこのように苦し紛れの策でしかなかったのが現実です。
ところが、これが番組が大ヒットする最大の原因になったとは仮面ライダーと言う番組はとてつもない強運を持っているとしか言いようがありません。
補足。
Wikipedia(2019年11月21日現在)には「プロデューサーだった平山亨氏がはそれだけが理由ではないと述べており[12]、佐々木自身もそれが理由であるという説明は受けていないと述べている[9]。」
このように書かれています佐々木剛の言葉は理解できますが、平山亨プロデューサーの話には懐疑的にならざるを得ません。
佐々木剛のライダー2号編の撮影が始まるまでの経緯は書いています。
このコメントは1986年出版の「仮面ライダー大全集」の座談会の席での発言ですが、上記のように仮面ライダーの撮影は非常に押していました。
さらに、このコメントが本当であるならば他のスタッフとも相談していなければおかしな話です。
ところが、そのような事実は2019年の現在も他のスタッフ、関係者からの証言は得られていません。