伊藤詩織事件9

伊藤詩織事件の9回目です。

重要なことですので今回も書きますが私は山口敬之とは面識がありません。当然ですが山口敬之を擁護するためにこのようなブログを書いているわけではないということです。

何度も書いていることですが伊藤詩織の書いた「ブラックボックス」は一人の人間を犯罪者と断罪するには、あまりにも内容がお粗末すぎます。

イタリア留学への疑問?

伊藤詩織はイタリアへ引っ越すお金がありません

20頁(文庫24頁)

 ほどなくして私は、ニューヨークでそのまま学業を続けるのが厳しい状況になった。バイトは掛け持ちしていたが生活は苦しく、給付される奨学金は、学費は全てカバーできる金額ではなかった。そこに生活費も加わり、学校を卒業する予定の年には貯金もそこをついてしまった。そこで学費、生活費が比較的安いヨーロッパの大学で、一学期分の単位をとることにした。

私の取らなければならないクラスなどを考慮した結果、イタリア、フィレンツェの大学で半年間学べることがわかった。そこでなら、学業を続けながら生活することができそうだった。同棲しているパートナーを説得するのは大変だったが、渋々納得してくれた。

ニューヨークでの生活が大変だった、これは理解できます。ところがイタリアのフィレンツェに引っ越しをすると、それによりお金がかかります。

学校を卒業する予定の年には貯金もそこをついてしまった。

お金がない状況で、どうやってイタリアに引っ越しをする経済的余裕があるのでしょうか?

イタリアに引っ越せば、新たに部屋の契約もしなければならないのです。

同棲しているパートナーを説得するのは大変だったが、渋々納得してくれた。

伊藤詩織は同棲していると書いています。つまりイタリアに行っている間もアメリカで家賃が発生することになります。これではアメリカとイタリアの二重生活で、より生活費がかかるようになります。同棲中の部屋を解約する、パートナーが家賃の全額負担をするという選択肢も考えられますがイタリアに行けばイタリアで部屋の契約が必要です。当然ですがアメリカに帰った後も新たに部屋の契約が必要になります。

これに携帯電話の契約もあります。

イタリアに行くとアルバイトができません

これに加えてイタリアの公用語はイタリア語です。

要するにアルバイトができなくなります。(イタリア語が話せるのであれば別ですが?)ただ、これも学生ビザで入国した場合イタリアの法律で原則労働は禁じられています。

それ以前にアメリカでも学生ビザ(F-1ビザ)での労働は法律で禁止されています。

イタリアのフィレンツェでの生活費は安くはありません

それと、イタリアのフィレンチェでの生活費についてインターネットで調べたのですが日本の大都市と比べて変わらないそうです。つまり生活費が安いわけではありません。

奨学金の給付がなくなります

再度20頁(文庫24頁)

 ほどなくして私は、ニューヨークでそのまま学業を続けるのが厳しい状況になった。バイトは掛け持ちしていたが生活は苦しく、給付される奨学金は、学費は全てカバーできる金額ではなかった。そこに生活費も加わり学校を卒業する予定の年には貯金もそこをついてしまった。そこで学費、生活費が比較的安いヨーロッパの大学で、一学期分の単位をとることにした。

私の取らなければならないクラスなどを考慮した結果、イタリア、フィレンツェの大学で半年間学べることがわかった。そこでなら、学業を続けながら生活することができそうだった。同棲しているパートナーを説得するのは大変だったが、渋々納得してくれた。

給付される奨学金は、学費は全てカバーできる金額ではなかった。

伊藤詩織はアメリカで奨学金を給付されていたと書いています。当然ですがアメリカで給付される奨学金は、アメリカの大学で学業を受けるために給付されるものです。イタリアの大学に行ったら奨学金の給付がなくなります。

そこで学費、生活費が比較的安いヨーロッパの大学で、一学期分の単位をとることにした。

まずアメリカの大学の学期ですが2学期制、4学期制の2種類があり主流は2学期制です。

ここでは一般的な2学期生の時期を紹介します

前期9月〜12月

後期1月〜5月

これに対しイタリアの大学は2学期制でアメリカと期間はほぼ同じです。さらにイタリアの大学はほとんどが公立で学費が安いのが特徴です。(日本円で年間20万円以内)これに加えて英語での講義を行なっている場合が多くあり、英語で講義を受けることができます。

イタリアへ行ったら生活ができません

しかし、イタリアの大学へ行った場合、奨学金の給付がなくなるので学費は全額自己負担になります。

さらにこの記述があります。

学校を卒業する予定の年には貯金もそこをついてしまった。

この記述が正しいのであれば、イタリアに行った場合、生活費が捻出できません。理由はアルバイトができないからです。それ以前にイタリアの大学の学費、イタリアまでの飛行機代が捻出できるのでしょうか?

さらにイタリアのフィレンツェであればニューヨークと比較して劇的に生活費が安くなるわけではないからです。

イタリアのビザに関する疑問

伊藤詩織はイタリアのビザが取得できません

これ以外にも20ページの記述には大きな問題があります。

それはビザです!

イタリアに91日以上滞在するにはイタリアのビザが必要です。

イタリア大使館のビザに関するサイトのリンクを貼っておきます。

読めば理解出ると思いますが下記の文言があります。

・ビザ申請は出発の90日前より受け付けています。審査には時間がかかりますので、余裕をもって、出発のすくなくとも3週間前までに申請してください。

さらにイタリアのビザを支給されるには下記の書類が必要です。これは下記リンクのサイト

大学・音楽院・美術大学留学用就学ビザのチェック・リスト Checklist for University, Conservatory, Art Academy Visa

これをクリックすれば用紙がダウンロードできます。(このサイトで見れるようにしました)

重要なのは下記の内容です

⑤日本国籍保有者: 直近(一週間以内)の住民票

⑥入学許可証(原本とそのコピー)

⑦住居に関する書類(賃貸契約書、寮などの入居証明書、ホームステイ先からの受け入れ承諾書、など)

留学資金が自己資金の場合: 資金の入っている銀行口座(過去6ヶ月にわたり安定した資産 状況が確認できるもの)の通帳とそのコピー

 親が資金提供する場合: 所定の保証書、実印登録証明書、資金の入っている保証人名義の銀行口座(過去6ヶ月にわたり安定した資産状況が確認できるもの)の通帳とそのコピー、およびパスポートのコピー

⑤の住民票ですが伊藤詩織はこの時ニューヨーク在住ですので日本にいる家族に依頼して住民票を取り寄せる必要があります。

⑥はイタリアのフィレンツェの大学が入学を許可しなければなりません。

⑦の住居の確保は大学が入学を許可してから見つけることになります。

⑧はお金を持っていることの証明です。イタリアの大学に通っている間、生活できるお金があることの証明をしなければならいのです。

以上の説明で理解できると考えますが伊藤詩織は⑤⑥⑦⑧を証明できる書類をビザの申請時に提出しなければならないのです。

伊藤詩織はどうやってイタリアの大学の入学許可を得たのでしょうか?

まず問題になるのが

⑥入学許可証(原本とそのコピー)

これです。

1月になってイタリアのフィレンツェへの留学を決めているのです。フィレンツェの大学の入学許可が出るまでどのくらいの期間がかかるのか分かりませんが、これが出るまでビザの申請ができないのです。

伊藤詩織はビザの取得要件を満たしていません

続いて問題になるのが

留学資金が自己資金の場合: 資金の入っている銀行口座(過去6ヶ月にわたり安定した資産 状況が確認できるもの)の通帳とそのコピー

 親が資金提供する場合: 所定の保証書、実印登録証明書、資金の入っている保証人名義の銀行口座(過去6ヶ月にわたり安定した資産状況が確認できるもの)の通帳とそのコピー、およびパスポートのコピー

お金がない伊藤詩織がどうやって、この書類を用意することができるのでしょうか?

この当時、伊藤詩織が置かれた状況を考えるとイタリアのフィレンツェの大学へ留学することは不可能なのではないでしょうか?

20頁(文庫24頁)の内容は嘘です

20頁(文庫24頁)

学校を卒業する予定の年には貯金もそこをついてしまった。そこで学費、生活費が比較的安いヨーロッパの大学で、一学期分の単位をとることにした。

この記述でわかることは伊藤詩織がイタリアのフィレンツェの大学へ行くことを決めたのは大学を卒業する予定の年の1月以降になります。

そうなるとビザの発給が間に合いません。

ようするに1月になってイタリアへ留学することを決めても学校が始まる前にビザの発給が間に合わなくイタリアのフィレンツェに行けないのです。

生活費が比較的安いヨーロッパの大学で、一学期分の単位をとることにした。

以上の状況を考えた場合、1学期、約5ヶ月間の為だけにイタリアへ行く理由はなくなります。

つまり20頁(文庫24頁)の内容は確実に嘘になります。

このブログを読まれた方は私の意見を鵜呑みにしないでご自身で「ブラックボックス」を読んで判断をしてください。

場合によっては

つづく!

伊藤詩織事件10へ続く

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