1996年にウルトラシーズ元祖の「ウルトラQ」
1996年にウルトラマンシリーズ第1作「ウルトラマン」
1997年にウルトラマンシリーズ第2作「ウルトラセブン」
この3作品はTBSの日曜19時からの武田製薬が一社提供していたタケダアワーで放送されています。
ところが1971年の「帰ってきたウルトラマン」は金曜日の19時からでした。
今までこの事実に特に疑問は持っていなかったのですが、考えてみれば何故放送日時を変更したのでしょうか?
普通に考えれば引き続きタケダアワーで放送をするのが当然のことと考えられます。
これについて考えてみました。
放送日時が変更された最大の理由は新規スポンサーの獲得ではないでしょうか?
Q:地上波テレビ局の収入源はなんでしょうか?
A:CM販売による広告費
基本これが地上波テレビ局の収入源になります。
タケダアワーはこの当時TBSにとって完全に固定収入の状況にありました。
1966年1月以降「ウルトラQ」「ウルトラマン」「キャプテンウルトラ」「ウルトラセブン」「怪奇大作戦」「妖術武芸帳」「柔道一直線」「ガッツジュン」と続いています。
作品として失敗に終わったのは「妖術武芸帳」だけです。この作品は視聴率が取れずに1クール13話で終了しています。
ちなみに「キャプテンウルトラ」「柔道一直線」の制作は東映で平山亨プロデューサーです。
平山亨は「キャプテンウルトラ」放送時「視聴率が落ちた」と散々言われたそうです。視聴率が20%を超えているにも関わらずです。これは「ウルトラマン」が平均視聴率が30%代、最高視聴率が42.8%を記録していた関係です。
さらに「柔道一直線」も東映で平山亨プロデューサーで製作されています。
しかもアクションが大野剣友会です。
この作品が「仮面ライダー」につながったのは有名な話です。
「帰ってきたウルトラマン」の放送開始が1971年4月2日でタケダアワーの「ガッツジュン」の放送開始が同月の4月11日です。
「ガッツジュン」の放送が1週遅れたのは「柔道一直線」が4月4日に最終回が放送されたためです。
普通に考えれば「帰ってきたウルトラマン」を1971年4月11日からタケダアワーで放送することになんの問題もありません。
ところが金曜19時に放送枠を変更しているのです。
上記しているように地上波テレビ局の収入源はCM販売による広告費です。
極端な話この時期はタケダアワーでは何を放送しても武田製薬からの広告費は入ってきてます。
そうであれば新しいウルトラマンを別の時間帯に放送して新たな広告収入、それも大きな収入源にしようと考え時間帯の変更をしたと考えるのが妥当ではないでしょうか?
というかこれ以外の理由が見当たりません。
結果としてこれは成功に終わっているのではないでしょうか?
事実同作以降「ウルトラマンA」「ウルトラマンタロウ」「ウルトラマンレオ」と4年間放送が続きました。
ただこれ以降はTBSでは子供向け特撮番組でなくなってます。
子供向け特撮番組の枠としてはタケダアワーのような成功にまではつながりませんでした。
これに関しては「ウルトラマンレオ」が視聴率が低迷して打ち切られたことが関係しているのではないかと考えられます。
「ウルトラマンレオ」が視聴率が好調で終了していれば次の番組も子供向け特撮番組が放送されてタケダアワーのようにシリーズ化され活実な収入につながったと考えます。
ただウルトラマンシリーズの放送は不可能だったと考えます。
理由は撮影が大変だからです。
この第2期ウルトラシリーズが同シリーズ最大の長期放送期間を現在でも記録しています。
これは同シリーズはミニチュアセットの制作が必要で撮影に時間がかかりすぎることが関係していると言われています。
去年放送の「ウルトラマンZ」今年放送の「ウルトラマントリガー」も放送期間は半年です。
制作ノウハウが高くなった現在でもこの期間での放送ですから、この第2期ウルトラシーズの放送期間は驚異的というしかありません。
しかし4年間安定して大きな収入になったことは間違いがありません。
TBSはこの当時、子供向け特撮番組で成功していたのはタケダアワー以外では、この4年間のウルトラマンシリーズと1975年4月から大阪の系列局の変更、いわゆる腸捻転解消に伴いTBS系列での放送が開始された「仮面ライダーストロンガー」くらいです。
仮面ライダーというとTBSのイメージが強い方もいると思いますが第1作「仮面ライダー」放送開始時は制作の毎日放送はNET(現テレビ朝日)の系列局でした。
意外に思われるかもしれませんがTBSは子供向け特撮番組で優秀な作品はウルトラマンシリーズ以外ではタケダアワーの番組が中心でこれ以外には殆どありません。
もし異論がある方がいればコメントでお願いします。
話を元に戻します。
「帰ってきたウルトラマン」の放送時間帯が変更になったのはTBSがタケダアワーのような新規収入のための番組枠を作ろうとして行った。これ以外には理由が考えられません。
この意見に反論があればコメントでお願いします。