これも「仮面ライダー」ファンの間では有名な話ですが藤岡弘(名称当時、以下同)の主役降板、佐々木剛に主役交代した関係で子門真人(藤浩一名義)の歌う「レッツゴー!! ライダーキック」は世に出ました。
これは番組のヒットによりレコードもヒットしました。
子門真人は当時会社員でアルバイトでCMソングを歌っていたことはファンの方なら知っていると思います。
「レッツゴー!! ライダーキック」のレコーディングもCMソングのつもりで行ったら1番、2番、3番とあり「これはなんの曲なの?」とレコーディング関係者に聞いたところ新番組の主題歌だと教えられたそうです。
当然のように第1話開始時テレビの前で番組が始まるのを待っていたそうです。
ところが流れてきた曲は自分の声ではなく、藤岡弘の歌うバージョンだったたためガッカリしたそうです。
ちなみにエンディングは子門真人(藤浩一名義)の「仮面ライダーのうた」でしたが、これを確認することもなく番組は見なかったそうです。
それからしばらくたったとき知人から自分の曲がオープニングで流れているのを教えられ番組を見るようになったそうです。
藤岡弘の降板により子門真人の歌う「レッツゴー!! ライダーキック」が使用されるようになったのです。
この出来事は日本音楽史においても大きな出来事であると私は言っています。
なんと言っても子門真人がメジャー歌手になったのは「レッツゴー!! ライダーキック」のヒットによるものだからです。
この曲のヒットにより子門真人には特撮、アニメ番組の曲の依頼が多く来るようになったのです。
この「レッツゴー!! ライダーキック」は当時の子ども向け番組では珍しくアップテンポな曲でもあります。
この当時は子ども向け番組はスローな曲の方が子供受けすると考えられていたようで事実アップテンポな曲は少数派であったと言えるでしょう。
ちなみに、この曲の作曲は菊池俊輔で、この曲以前ではアニメの「タイガーマスク」で有名な方です。
「タイガーマスク」でアップテンポな曲が評判が良かったため「仮面ライダー」もアップテンポな曲にしたと聞いています。(事実確認は取れていません)
菊地俊輔はこの後10号ライダー、ZXまでの曲をすべて担当しています。
言い方を変えれば平山亨プロデューサーの担当された「仮面ライダー」作品の曲は主題歌、挿入歌、BGMすべてを担当されています。
話が菊地俊輔に逸れてしまいましたので子門真人に戻します。
子門真人は「仮面ライダー」でも後期オープニング「ライダーアクション」、後期エンディング「ロンリー仮面ライダー」を歌っています。
個人的な意見ですが「ロンリー仮面ライダー」は名曲だと思います。
1人で悪の組織と戦わなければならい(協力者はいるがショッカーの怪人に対抗できるのは自分1人だけ)さらに「仮面ライダー」が戦うのは自分と同じショッカーに改造された仲間でもあります。
「仮面ライダー」は脳改造手術を前にショッカーを脱出しただけで戦う相手は脳改造をされた仲間です。
「ロンリー仮面ライダー」とういう曲は、この「仮面ライダー」の悲哀が非常によく表現されていると感じます。
このブログも「ロンリー仮面ライダー」を聴きながら(当然他の曲も聴きながらですが)書いています。
ちなみに、このエンディングの撮影場所はお台場です。
現在のお台場からは信じられない光景が広がっています。
2号ライダー編からエンディングで橋から落ちるシーンがありますが、これもお台場であることは、このブログを読まれている方ならご存じの方も多いのではないでしょうか?
お台場は、このエンディング以外にも「仮面ライダー」のロケ地として頻繁に使用されていあることで有名です。
話が逸れまくって申し訳ありません。
「レッツゴー!! ライダーキック」に話を戻します。
この曲の特徴は何回も書いていますがアップテンポなことです。
さらにアクションシーンに非常に適しています。
必ず番組のクライマックスには、この曲かメロオケ、またはメロオケアレンジの曲が流されています。(ただし第97話は例外)
これは主題歌が変更された後でも使用されています。
それだけアクションシーンに適していた証拠でもあります。
今回改めて「仮面ライダー」のDVDを観たのですが、この曲がかかった時の盛り上がりは非常に高いものがあります。
それだけの名曲であると考えます。
さらに、この曲のヒットは日本の音楽史を変えたと言っても良いのではないでしょうか?
日本のアニメソング史に残る名曲「ガッチャマンの歌」もこの曲のヒットにより依頼のきたものです。
さらに何と言っても日本音楽史上最大のヒット曲「およげ!たいやきくん」を子門真人は歌うことになるのです。
藤岡弘の事故による主役降板は日本の特撮ドラマの大きな影響を与えただけでなく音楽界にも大きな影響をあたえたのです。
藤岡弘本人にすれば、もしかすると忘れてしまいたい過去かもしれませんが1人の俳優の事故がこれだけ大きな出来事に発展したのです。
逆に藤岡弘の事故がなかったら?
これは日本のテレビ史、音楽史が変わっていたことは間違いないでしょう。